アルケミスト 夢を旅した少年
外国の旅人と会った。僕は聞いた。
「君は何で日本に旅に来ているの?アニメが好きなの?」
旅人は答えた。
「アルケミストを読んだら、旅がしたくなったの」
僕は「アルケミスト」を知らないと言ったら、旅人は非常に驚いた。
それは世界的なベストセラーの小説であることを教えてくれた。
一億冊以上売れている本は世界に六冊しかないが、その中にアルケミストがあった。「日本に来る外国人は皆アニメ好きだろう」と考えていた僕は少し恥ずかしくなった。そして、僕はAmazonで購入して読んでみることにした。
旅する王様は、旅に憧れる少年にこう諭す。
「まだ、若い頃は全てが可能だ。夢を見ることも、自分の人生に起こってほしい全てのことに憧れることも恐れない。ところが、時が経つうちに、不思議な力が、自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ・・・この地上には一つの偉大な真実があるからだ。つまりおまえが誰であろうと、何をしていようと、おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙の魂から生まれたからなのだ。それが地球におけるおまえの使命なのだよ。」
そんな王様に少年は質問する。
「したいと思うことが、旅行しかないという時もですか?呉服屋の娘と結婚したいという望みでもですか?」
王様は答える。
「そうだ。宝物を探したいということでさえそうなのだ。『大いなる魂』は人々の幸せによってはぐくまれる。そして、不幸、羨望、嫉妬によってもはぐくまれる。自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。お前が何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるんだよ。」
こうして、少年は旅をすることを決意する。旅路では裏切られ盗まれ無一文になったり、クリスタル売りを工夫を凝らして手伝って資金を集めたりと、自分の人生を自分で選んだために苦労する。時に旅に出たことを後悔し、地元に戻ろうかと悩む。だけど自分の望みを追い求めることを諦めない。
そして旅で関わる色んな人から学びを得る。
戦争地帯では、ラクダ使いからこんな話を聞く。
そのラクダ使いはあまり戦争を心配していないようだ。
「私は生きています。私は食べている時は食べることしか考えません。もし私が戦わなければならなかったら、その日に死んでもそれはかまいません。なぜなら、私は過去にも未来にも生きてはいないからです。私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に今に心を集中していれば、幸せになれます。砂漠には人生があり、空には星があり、部族の男たちは人間だから戦う、ということがわかるでしょう。人生は私たちにとってパーティであり、お祭りでもあります。なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だからです。」
錬金術師からはこう学ぶ。
「学ぶ方法は、一つしかない。それは行動を通してだ。おまえは必要なことは全て旅の中かから学んだ。」
「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ。」
「普通、死の脅威は、自分の人生について、人に多くのことを気づかせてくれるものだ。」
少年は、途中で愛する女性とも出会う。「愛は男が運命を追求することを決して邪魔しはしない」ということを体現する素晴らしい女性。
こうして、少年は旅を続ける毎に強くなる。旅の先に何があったのかということは敢えて記載しないでおきたいと思うが、この少年が旅を通して学んだことから、僕たちが学べることもとっても多いんじゃないかと思う。
世界を見渡すと、なぜこんなにも旅人が多いのか、旅を終えるとなぜ大切なことに気づくのか、何のために生きているのか、そうした理由を考えさせられる一冊。この一冊に出会わせてくれた旅人に感謝したい。
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